本日はグレーンウイスキーについての説明を行います。
前回のモルトウイスキーについての記事をまだ読まれていないという方はそちらから先にお読みいただけると、今回の内容についてもより深く理解が出来ると思います。
グレーンウイスキーについては世間から色々と誤解をされている面の多いウイスキーだと思いますが、本記事を読んでいただければその辺りの認識もガラリと変わると思います。
グレーンウイスキー初心者の方におすすめの銘柄についても少しお話をしたいと思っております。
目次
グレーンウイスキーとは
大麦だけを原材料として製造された物を「モルトウイスキー」と呼ぶのに対し、大麦以外の穀物等を原材料として製造されたウイスキーについては「グレーンウイスキー」と呼びます。
グレーンウイスキーの原材料には先ほど挙げたトウモロコシや小麦、ライ麦等の大麦以外の様々な穀物が用いられています。
グレーンウイスキーの場合は主にモルトウイスキーに混ぜてブレンドする為に製造される場合が殆どで、グレーン原酒だけをブレンドして販売をされている商品はあまりありません。
まあ無い訳では無いのですが(´・ω・`)
上記でグレーンウイスキーはモルトウイスキーに混ぜる為に製造される場合が多いと述べましたが、だからと言ってグレーンウイスキーがモルトウイスキーに対して質が劣っているという事は決してありません。
確かにモルトウイスキーのみを使用して作られたシングルモルトの銘柄と比較するとブレンデットウイスキー(モルト原酒とグレーン原酒を混ぜて作られるウイスキー)の底値は安価ではありますが、高値の部分では大差は無く拮抗しています。
ブレンデットウイスキーにするとシングルモルトに比べて値段が若干安くなる為に「グレーンウイスキー=安物の粗悪なお酒」と勘違いをされる方もいらっしゃるとは思いますがそれは勘違いです。
グレーンウイスキーは商品全体の品質に安定感と調和をもたらすバランサーとしての重要な役割を担っており、それは個性の強いモルトウイスキーには中々真似をする事が出来ません。
協調性の高いグレーン原酒はモルト原酒と比較して下にあるのではなく、互いに肩を並べて歩む事の出来るベストパートナーの様なものなのです。
グレーンウイスキーの蒸留方法について
グレーンウイスキーの多くは連続式蒸溜器(Patent still)を用いた方法での蒸留が主流となっております。
この連続蒸溜器を使用して蒸留された原酒のアルコール度数は94度にもなるそうで、非常に高純度のアルコールが抽出されます。
それ故にアルコール以外の成分(香味成分など)があまり残る事は無い為に、グレーン原酒は余分な癖の無いスッキリとした味わいになるのです。
サイレントスピリッツと言われている所以はこの独特な抽出方法が関係していたんですね。
因みにモルトウイスキーの蒸留には単式蒸溜器(Pot still)と呼ばれる釜でアルコールを蒸留させるのですが、こちらの蒸留器は連続式蒸溜器と比較して造りが原始的で単純な仕様になっています。
それ故に、原料となる大麦を蒸留する際にもアルコール以外の不純物も一緒に抽出される事になります。
その不純物こそモルト原酒の持つ特有の癖や個性の元になるんです(´・ω・`)
単式蒸溜器で蒸留されるアルコールの度数は約65度から70度程度になる様です。
連続式蒸留器を用いた場合と比較するとアルコール度数は25度から30度程度の差が出るという事になります。
結構違うものですね(´・ω・`)
こういった観点から見てもモルトウイスキーとグレーンウイスキーは全然違うものであり、優劣を競う物では無いという事が分かります。
シングルグレーンウイスキー 知多について
日本における代表的なグレーンウイスキーと言えば「知多」が特に有名ですよね。
知多は私個人としてもおすすめの一本です。
知多はその名の通り愛知県の知多半島にあるサントリーが所有している知多蒸留所で製造されているウイスキーです。
また知多で使用されている原酒は全て知多蒸留所内にある工場でで製造されていますので、ただのグレーンウイスキーでは無く「シングルグレーン」のウイスキーという事にもなります。
まあとは言っても、製造過程の糖化の為にどうしても一部モルトを使用しないといけない工程があるようで、ほんの少しだけではありますがモルトの成分も混ざってはいる様です。
とはいえ製造元のサントリー自身が知多については「シングルグレーンウイスキー」と言っているので、そう思っても問題は無いでしょう。
全国的に出回っている有名なウイスキーの中でシングルグレーンの銘柄は殆どありませんので、知多は割と異色かつ貴重な存在であると言えると思います。
定価については4000円程度となっておりサントリーが誇る高級銘柄の一つです。
知多というウイスキーについての評価
味については後味がすっきりとして癖が無く飲みやすい味わいになっております。
アルコールの刺激も少なめなのでストレートで飲んでも比較的飲みやすい点も特徴の一つと言えます。
モルトウイスキーと比べても味わいが劣るという訳でも無く旨味はしっかりと感じられ、それでいてさっぽりとしたキレの良い後味。
それでいてレーズンの様な華やかな香りが主体となっていますので非常に華やかな仕上がりです。
癖の強いウイスキーが苦手という方にも知多は自信を持っておすすめする事ができます。
モルトウイスキーと比較すると後味や余韻は若干弱くもありますが、しつこくなくドライな知多の味の方が好みだという方も多くいると思います。
私自身としてもノンエイジの物であればシングルモルト山崎よりも知多の方が味わいは好みです。
知多の場合はその他のサントリーの高級銘柄(山崎・白州・響)と違い良くも悪くも何処であっても簡単に入手をする事が可能な為に有難みには欠けるというのが正直な感想ではありますが、その品質の高さには目を見張るものがあります。
グレーンウイスキーと言えば「サイレントスピリット」等と呼ばれる様にあまり主張の強く無いと言われてはいますが、知多に関しては香りや旨みの広がりもしっかりとしており非常にバランスの良い構成に仕上げられています。
モルトウイスキーに対しての割り材としてのイメージが強いグレーンウイスキーをここまでのクオリティに仕上げたサントリーの技術は流石です。
因みにサントリー自身は知多についてはハイボールを強く押しており、CMでも人気俳優さんを起用して風香るハイボールとして飲んでいる場面が描かれています。
4000円という価格から考えると味のハードルは中々高い物になってはしまいますが、知多の味わいはその価格に負ける事の無いしっかりとした構成に仕上がっております。
気になる方は白州等のシングルモルトの銘柄との飲み比べ等をしてみても面白いかもしれません。
残念ながら知多蒸溜所は現在一般枠での工場の見学などは行っていません。
様々な理由から一般に対する解放は避けているのだとは思いますが、何時の日か期間限定でも良いので足を運べる日が来ると良いですね(´・ω・`)ザンネン
主要なグレーンウイスキー一覧
・知多
・ニッカ カフェグレーン
・ロッホ ローモンド
・ティーリング
・キャメロンブリッジ
・ガーヴァン パテントスティル NO.4年
「グレーンウイスキーの原料や種類について | ウイスキー」の総評
今回はグレーンウイスキーの原料や種類等を中心に纏めた記事となりました。
グレーンウイスキーと一言で言っても本当に様々な銘柄が出ていますので、何がいったいどういった原料を用いているのかや、どういった製法で作られているのか等についてはあまりご存知ではない方もいらっしゃると思います。
今回の記事が初心者の方にとって少しでも役に立つ内容であったのであれば私としても幸いです。
とは言ってもウイスキーは本当に奥が深いお酒になりますのでまだまだご紹介出来ていない事柄が沢山あります。
その辺りのお話についても今後じっくりと説明をしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
それでは今日はこの辺で(´・ω・`)ノマタネ
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