美大・芸大ってどんな所? | ヌードデッサンについて

カラフルな色 美術

世の中には将来の進路の候補として美大や芸大へ進もうと考えている方も結構多いのではないでしょうか。

今回はそんな方に読んでいただきたい、私自身の美大での実体験や知人友人より聞いたエピソードを中心に話を進めて行きたいと思います。



目次

美大・芸大とは

ワイングラスのデッサン

まず、一言で言えば私にもよくわかりません。

美大や芸大と言ってもその校風は本当に様々で大人しく穏やかな雰囲気の学校もあれば、色々と派手で噂話やネタに事欠かない学校もあります。

多くの方がイメージする美術系大学のイメージは後者の様な後者の方ではないでしょうか。




美術系の大学と聞くと、はっちゃけた変人が多そうなイメージはですが実際はそうでもありません。

どっちかと言うとオタク系が多い気がします。まあ、これはある意味イメージ通りか(´・ω・`)

美術系の学生は皆見た目は普通よりもお洒落な人も非常に多いのですが中身はまあまあ残念な人が多いです(´・ω・`)

私が知っている限りの美術系大学のでも


・真面目な生徒が多い伝統校
・のんびりとした性格の生徒が多い学校
・最先端の技術や教育に力を入れた学校
・学校が画商を誘致している学校


等々とどの学校にもそれぞれに独自の色が有り特徴は様々です

美術系大学に存在する特殊なカリキュラム

絵具で汚れた手

美術系大学では授業の一環として「ヌードデッサン」という授業が存在します。

学科に寄っては必修科目では無いかもしれませんが、受けようと思えば大抵の学校、学科で受講することが可能だと思います。

私の専門科目であった日本画学科でも必修科目としてヌードデッサン(裸婦デッサン)の授業がありました。




何故かはわかりませんが、大学でヌードデッサンを行う際は、モデルさんは女性である場合が多いです。

はっきりとした理由は分かりませんが、男性のモデルの場合は筋肉が女性よりも発達している分体の起伏が分かり易いので人によっては男性の方が描きやすく感じるとは思いますが、基本的には女性の方が素直な体つきの方が多いので、人物デッサンへの入門には向いているのかもしれません。



とは言っても女性がモデルの場合は男性よりも皮下脂肪が厚く本などで得た人体デッサンの知識が通用しない部分も多々あるので充分難しいのですが。

それ以外の要素としては単純に絵とした場合の美しさの観点から女性モデルが多用されているのかなとも思います。

やはり男性よりも女性の方が華がありますからね(´・ω・`)

女性のヌードの方が男性よりも華がある~なんて事を言っていると多方面から苦情が発生してくるかもしれませんのでこの辺りで止めておきます。


ヌードデッサンの基本について

水彩絵の具

では仕切り直して、まずヌードデッサンは当番の学生がモデル台と呼ばれるモデルさんがポージングする舞台やその上に敷かれる毛布やシーツのセッティングを行います。

後片づけも同様です(´・ω・`)

ヌードデッサンではモデルさんは文字通り裸の状態なので、ポージングに集中していただけるよう外部からは完全に見えないように部屋を貸し切りカーテン等で仕切ります。

またこれは室内の光を一定にして体の起伏などをより正確に描く為でもあります。

その際、会場となる部屋の室温などは描き手ではなく裸の状態であるモデルさんにとって快適な環境になる様に合わせて設定をします。

これもモデルさんにポージングに集中をしていただく為であり、それが結果的に描き手の為にもなります。

モデルというのはただ立っていたり座っているだけの様にも見えますが、実際に自分でやってみると非常に大変で疲れます。

身体全体で同じ表情を維持し続けるという事は想像以上に神経や体力を使う物なのです。

以上の事から室温の管理や外から見えなくするという事はそれだけモデルさんに集中をしていただき、最大限のパフォーマンスを発揮してもらう為には必須の条件と言えます。



このヌードデッサンは上述のように部屋を貸し切り外からは部屋の中の様子が見えないようになっています。

なので一度授業が開始されるとそのポージングが一旦終わるまでの間は基本的には部屋の中に入る事は出来ません。

途中で入って来られると気が散ってしまいますからね。

これもモデルさんへのマナーであり、同時に描いている学生に対しても邪魔にならない為に必要な措置でもあります。

ヌードデッサンはモデルさんが何時間もずっと同じポーズをとっているという訳ではありません。

基本的には数十分のインターバルを繰り返し行い、1日に数ポーズを行います。

一回一回のインターバルの長さはその時々で違いますが、長い時でも大体20分前後で一旦5~10分の休憩を挟み次のポーズへ移る事が多いです。

これは本当に場合によりけりですが同じポーズを20分×数回や毎回違ったポーズをとる場合、1回のポーズが1分や5分しかない場合等、一言でヌードデッサンと言っても状況により実に様々なパターンがあり毎回勉強になります。

あと何回やっても難しいです。

ステッドラーの鉛筆

この様に長時間のポーズを取り続けなければならないお仕事なので、例えば立ちポーズばかりの日にはモデルさんによっては途中でユラユラと体が動いてしまう様な方もいたりします。

見た目以上に肉体労働なんですよね(´・ω・`)

モデルさんは年齢や体形もその時々によって様々です。

20代の非常に若い方の場合もあれば、40代くらいの中年の方の場合もあります。

痩せている方もいれば、ふくよかな方もいます。

この様に色々な年代、体系のモデルさんを描くことで人体への理解がより深まりますし勉強にもなります。

ヌードデッサンの意外な事実

原稿用紙とエンピツ

ヌードデッサンの授業は意外と人気がありません。
まあこれは学校等にもよるのかもしれませんが…。

下世話な話ではありますが、一般の方からすればヌードデッサンは女性がモデルの場合は男性が挙って参加し、最前列を陣取って鼻息荒く目を血眼にして描いていそうな気もするかもしれません。

しかし、ヌードデッサンはモデルさんが仮に美しい女性であったとしても意外とあまり人気が無いんです。

その理由は幾つかあるのですが、主だったものとしては下記の様なものが多かったです。私の周りには(´・ω・`)

・自分の描写力が無いので人体を描くことへの苦手意識が強すぎて参加をしたくない
・コンクールなどへの出品準備があるので参加をしている暇が無い
・人体をテーマとした制作を行っていないので興味が無い

鉛筆を持っている手

ヌードデッサンが意外と人気が無い理由として上記で3点あげましたが、その中でも「・自分の描写力が無いので人体を描くことへの苦手意識が強すぎて参加をしたくない」という理由が特に多い理由です。

人体デッサンは自分の経験や力量がモロに画面に出てしまうので、皆苦手意識を持ってしまうんですよね。

人物はある意味でコンプレックスの様になりがちです。

そのコンプレックスを解消する為には結局は何度も練習し、何度も恥をかいて自信を持てるようになるしか方法が無いのですが、中々そこまで頑張れる人は少ないです。

そうやって逃げながら年を重ねる事で、更に苦手意識は増大し、また、恥をかく事が難しい学年になっていくので結局はいつまでたっても描くことが出来ない…という人も非常に多いです。

美大・芸大ってどんな所?のまとめ

ソフトパステル

今回は内容の殆どがヌードデッサンについてのお話になってしまいました。

本当はヌードデッサンについてもまだまだお話したいのですが続きは次回以降にしたいと思います。

美大・芸大についても私の経験に基づく色々なエピソードがありますので、そちらの話題についても次回以降で触れていきたいと思います。

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